あぶさんの歴史には伝説となりつつある若松キャプテン時代の7大会連続決勝進出という輝かしい連続記録がある。
「それを抜けるのはお前や」と総帥から鼓舞されてきた。
残念ながらJASとJACの大会連続決勝進出という意味では5連続で途切れた。
しかし、JASに限ってみても5大会連続決勝進出している。

2012年 3月 JASあぶA準優勝
2012年 5月 JACいいとこなし
2012年 6月 JASあぶA優勝
2012年 9月 JACいいとこなし
2012年10月 JASあぶA準優勝(豪雨ジャンケン決勝)
2012年12月 JACあぶA優勝
2013年 3月 JASあぶ1優勝
2013年 5月 JACあぶ1準優勝
2013年 6月 JASあぶ1準優勝
2013年 9月 JACあぶA3位(1チームでの参加)
2013年10月 JAS・・・

連続という事にあえて拘るとすると今回のJASの大会には6大会連続決勝がかかっていた。
そしてあぶさん1の3大会連続決勝という素晴らしい活躍。
チームの底上げがきっちりできていた。ということであろう。

今回は今まで以上に本気でワンツーを狙ったチーム分けにて大会に挑んだ。
それは、優勝を経験した2チームに分けること。であった。
2012年6月のあぶA
2013年3月のあぶ1
この間帰国者はいるものの、ほぼ入れ替えなく現メンバー最強の布陣を敷くことができた。
ほぼ全員が優勝を、決勝を経験しているチーム。ということだ。

あぶさんAは前回シードを失っており、朝一から優勝まで6試合の大会に挑んだ。

1回戦
VS The Rookies Varsity
初回、戦闘モードの先頭飯草が3塁打で出塁し、犠牲フライで先制点を奪うも
初回はこの1点のみ。
前日の雨でビチョビチョのグランドでボールが滑りながらもエース武藤の投球が冴える。
若干湿りがちでスタートしたものの、テンポ良い投球で打線に火がつき始める。
若干様子見の初戦であったが途中で相手を圧倒する10得点もあり、
終わってみれば13-0で勝利。

2回戦
VS 初芝REDSOX
過去に決勝まで進出したことがあるチームだけに何があるか分からない。
初戦若干不発だったブーンに変えて翔を先発起用。
左手首を痛めていたので初戦は様子を見ていたが、
丹羽の「翔、先週の練習で振れてましたよ」という言葉を信じるものの、長丁場なので
「フルスイングしなくていいから転がして足で稼げ」と指示した。
しかし、ここからまさかの翔劇場が繰り広げられるとは誰も思っていなかっただろう・・・
飯草・翔・熊崎の3人でチャンスメーク。
大塩・丹羽で大きめを狙い
辻・裕一でフォローアップ
武藤さんは投球専念
サヤカ・エツコは四球でも右打ちでも引っ張りでも何でも出来る練習をしてきた。
とにかく出塁して飯草に戻す。
これが打線の狙いだったが・・・
こんなにハマるものとは思わなかった。
とにかく切り込み3人がチャンスを作る。
そして丹羽のグランドスラムが炸裂し、チームはお祭りモード突入。
飯草・大塩は体をプルプルさせながらボール球には手を出さず四球を選ぶ。
熊・翔・辻・裕一はガンガン単打でタイムリーをはじき出す。
そして武藤さんはグランドも乾いてきて超安心モード突入。
得点圏にランナーを進められても伝家の宝刀で空を切らせる。
代打の菅野さんも先発陣を脅かす痛烈なヒットでチャンスメークし、全員ノリノリ。
極めつけは翔のグランドスラムであった。転がせと言ったのに・・・
結果19-0で完勝

3回戦
VS Night Rabbits West (前回大会ベスト8以上でシードのチーム)
さぁ、ここからよく知るチームが出てくる。
代表選抜に選出されている顔が沢山いるチームである。
ちょっとした流れだけで一気に試合を持っていく力のあるチームである。
この試合でも先制点はあぶさんが取る。
切り込み組みの3人がチャンスを作り、4番以降で効果的に点を上げていく。
そしてチーム1の大砲、サヤカが左中間をぶち抜く特大タイムリーを放ち、
これでまたお祭りモード。
翔の2発目グランドスラムも飛び出し、結果9-0でまたしても武藤さん完封!
これで次回大会のシードを決めた。

4回戦ベスト8
VS 早稲田渋谷シンガポール校
この試合開始直前にスコール到来。
武藤さんが「聞いてない」と空に向かって怒っている。
無常にも30分程降り続き、グランドはグチョグチョになった。
足元が非常に滑りやすく気になる中、運動量豊富な高校生との試合が始まった。
直前の試合で強豪タワーズを破って上がってきている勢いのあるチームだ。
初回、2回と点が入らず重苦しい雰囲気になる。
3回先頭の裕一がライトフェンスオーバーの1発を放つも後続が倒れ1-0
得点圏にランナーを背負うも気合いの投球でマウンドを守り続ける武藤さん。
その武藤さんにカリッカリに乾いたボールを提供するために1球1球拭いては返球する最高のチームメート。
そしてそのチームワークが再び祭りを呼び寄せる。
4回表だ。
出張から帰ってきてグランドに到着した修さんも打席でキッチリクリーンヒットを放ち、モードに突入。
丹羽の2発目、そして大塩の最長不倒バッケンレコードとなる特大弾で相手の戦意を喪失。

最後は打者一順して熊のグランドスラムで10点以上の得点となりチェンジ。
その後武藤さんがビシっと抑えて11-0にて勝利。

5回戦 準決勝
VS ジャングルベアーズ プー
3回戦であぶさん1とシーソーゲームの挙句、最終回に3点差をひっくり返し逆転勝利している
非常にやっかいな相手である。
ベスト8でNMR‐TGを下し、前回のJAC大会でも準優勝、日本人会でもキッチリ上まで上がってくるJBの強豪である。
というか準決勝の時点でどこも強い。
そんな中、4戦で失点0の武藤さんは何とも心強いし、打が線になっていて勢いが半端なかったので早く試合をやってくれーという感じだった。
幸先良く飯草、熊、翔のチャンスメークにポイントゲッターがしっかり打点を決めて3点を先制するも
裏の攻撃で不運なボテボテ連続からランナーを背負いヒットも絡めて3点を返される。
そしてサヤカとエツコがこの大会最高の働きをする。
ヒットと四球でとにかくアウトにならない。
そこから上位打戦がしっかりヒットで返し2点を追加する。
しかし、追いすがるベアーズ。
武藤さんがバッタバタ敵チームに凡打を山を築かせた魔球をとんでもない角度からバットを出し、
真っ芯で捕らえて左中間の奥深くへ2ランを放たれた。
同点である。やはり準決勝。強い。
でもリードされずに攻撃に回ったのがよかったのだろう。
乱打戦ならこの日のあぶAは負けません。
熊の1イニング2発に翔の3発目に丹羽の3発目。
またしても1イニング10点でチェンジとなりその裏をキッチリ武藤さんが抑えて
15-5で勝利。
決勝進出!

6回戦 決勝!
VS NMR RG
魔球を操る豊丸さんがマウンドに居ない。
準決勝で足を傷められたようだ・・・
でもそこは決勝の場。
あぶさん打線は出せる全力で優勝に向けて攻撃を開始した。
初回四球等で塁を埋め満塁とするも頼みの4・5番が不発。
しかし、ホームランが目立ったこの日、とにかくクリーンヒットで
一日を通して打点を稼いできたこの男が打席に入った。
その男の名はツジヒデオだ。
無得点なら一気に流れが相手に行ってしまうところだった。
ある意味この試合のターニングポイントはあそこだったかもしれない。
左中間へのタイムリーで2点先制。
そして武藤さんはしぶとい投球を続け、追加点を呼び込む。
熊がヒットで出塁し、何かひと皮向けた翔が4発目の2ランを放ち点差を広げる。
さらに大塩、丹羽、辻が連打で満塁を作り、この私裕一が
長いあぶさん生活で初めてのグランドスラムをこの決勝で放ち、
一気に点差をつけ、さらに丹羽の4発目等で点を追加し、4回裏の相手の攻撃を
抑えた所で時間切れ。
結局11-0で優勝!

2012年6月以来のあぶAの優勝となった。
そして、6連続日本人会大会でファイナリストにあぶさんの名を刻むことが出来た。

誰がどう、とか言えないレベルでの活躍っぷりだった。
普通は飲み会では打てなかった人がいじられるが、5割以上打ってる飯草がいじられる程
他のメンバーの打率が高すぎて覚えきれない。

投打がとにかく絡み合った。
エース武藤さんは6試合で5失点のみ。
打戦が奪った得点は6試合で何と78得点。

失点率 0.83
得点率13.00
恐ろしいったらありゃしない・・・

丹羽4本 (満塁弾1本)
翔4本 (ビヨンドMAXなので参考記録)(満塁弾2本)
熊崎3本 (ビヨンドMAXなので参考記録)(満塁弾1本)
裕一2本 (満塁弾1本)
大塩1本 (ありえん特大弾:川ダイレクト)

ちょっと歯車が狂うとなし得ない数字です。
ある意味全員の当たり日が揃った本当にお祭りみたいな日でした。

余談ですが、私裕一が肘を痛めており医者から「投げるな」と言われていたので
私がサード、大塩がサードという両コーナーを横綱と大関が固めるという守備を
敷いて戦いました。
大塩のサード、結構有りでしたよ。

U1



ABUSAN-1 大会総評

2回戦 (シード) vs ジャングルベアーズ・ラスカル 3x2 ○
3回戦 vs ジャングルベアーズ・プー 78 ●

                先に結論から言わせてもらうと次大会のシード権をも失ってしまう何の言い訳のできない非常に情けない結果に終わってしまった。初戦のジャングルベアーズ・ラスカル戦は健のサヨナラヒットで何とか勝ちを手に入れたものの、序盤から全員の動きは硬く、声もあまり出ていない状況であった。守備でいいプレーが出ても何故かそれを攻撃で波に乗せていくことができない。これまでならチームの誰かがビッグプレーを披露しようものなら、全体が盛り上がるということが随所に見られたが今大会ではそういったものがこれまでに比べ、見られなかった。

                続くジャングルベアーズ・プー戦では、初戦の反省を生かし、相手に3点を先制されても下を向くことなく、持ち前の細かい攻撃を積み重ね追いつき、7-4と逆転に成功する。投手・香川も初回の3点のみに相手打線を封じていた。しかし、最終回・相手の怒涛の攻撃から4点を奪われ、何とか再び追いつこうとするも、反撃及ばず7-8で敗戦となった。これまで我々が得意としていた戦略を遂行するのが少し遅すぎたように感じる。最後まで狂った歯車を修正することができなかった。

                これまでの大会を振り返ってみると、初戦は暖機運転を兼ね、(言葉は悪いが)それほど強豪でもない相手を徹底的に叩くことでその日の調子を上げるということが多かったように思える。しかし、今回は初戦からジャングルベアーズということで、どこか浮き足立ち、いつもより硬かったのかもしれない。これが正しい分析なら初戦の相手によってはこれまでどおりの動きができないということは我々はまだまだ弱いということではないだろうか。本当に強いチームなら相手如何によらず、自分たちのやるべきこと・やれることをきっちりとこなすからである。

このところの好成績に気をよくし、どこかに慢心があったのだとすればそれは大きな間違いである。緊張で動きが硬かったというのならば、それは準備不足であったり、これまでの練習で自分の納得のいくプレーがまだまだできていないということも考えられる。いろいろな部分で積極性に欠けた大会であったと思う。我々はいつになっても挑戦者という姿勢を崩すことなく、積極的に考え、行動していかなければならない。守りに入れるほどの実力を我々は備えているだろうか。答えは言わずもがな。


#35古関俊也

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