準決勝 vs River Valley Day Rabbits 13-3 ○
個人的には、今後しばらくシンガポールソフトボール会を引っ掻き回すチームであると感じているRiver Valley Day Rabbits戦。ここまでAMK-United、プラボムⅡ(ジェリー)という並み居る強豪を下してきており、勢いに乗っていることは確かであった。だが我々もここまでわずか3失点と抜群の安定感を誇る香川を始め、全員が全員の役割をきっちりこなしてきており、自信に満ち溢れていた。さらにはこの試合から我々が目標としていたABUSAN-Aのメンバーの力強い声援が加わることになる。
初回からこれまでの戦いどおり、選ぶべき四球を選び、打球をあげずに転がすことに専念することで好機を次から次へと創ることに成功する。前の試合から3番に入った神谷は香川と筆者の期待通り、しぶといバッティングで好機をさらに広げ、5番の橋本・(途中から藤瀬)6番山口()も繫いでは走り繋いでは走りを繰り返し、次々に加点していく。8番に座った関根も(練習にあまり来れておれず一抹の不安があったが)、技ありの流し打ちで9番に下がった古関に満塁のお膳立てをする。だがこの古関がこの試合をほぼ決めてしまうとは誰が思ったか。メンバーから肩の力がほどよく抜ける一声をかけてもらい、振りぬいたバットの色はまさに『パイナポー*』一色で、弾き返した打球は追い風に乗り蒼天めがけて上昇した。この時古関は完全に『入った』と確信し、ホームインしたときのアクションを考えながら、悠然とダイアモンドを回ろうとしていた。しかしそうは問屋が卸さない。あと数10cmのところでフェンスに直撃し、ゼンマイが壊れた玩具のように急いで3塁まで何とか到達する。走者一掃の3塁打。繰り返す、走者一掃の3塁打。癖になりそう、走者一掃の3塁打。というか、走者一掃3塁打・オブ・ザ・イヤー。
これで更に勢いづいた我々は続く回も加点していき、気づいてみれば13-3という風格さえ漂う勝ち方で、前回の壁を越え、決勝まで駒を進めることになる。点差を見れば、圧勝と見る人もいるかもしれないが、どこかで油断していたら逆のスコアでもおかしくはないほど、個人的にはRabbitsの脅威を感じた試合でもあった。

*筆者が最近覚えたやたら発音のいい英単語のひとつで、東南アジアを始めとする、亜熱帯から熱帯にかけて広く分布する果実。(使用例)このジュースに入ってんの、パイナポーじゃない?』

続く・・・

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